あっという間に2021年1月も過ぎてしまいました。2020年のような予想外のフラッシュクラッシュもなく、順調に推移しているのが外国為替です。株価はNYダウが1月に31,000ドルを突破しましたが、30,000ドル割り込む寸前まで下落。ただ、日経平均は28,000円台は維持している状態で、1月下旬のリスクオフのムードは軽減されている感じです。
ドル円は2020年11月のラインまでようやく回復。前回の予想は的中して1ドル104円はかなり厚いサポートラインとなってくれました。目下1ドル105円をブレイクできるかどうかに注目が集まっています。はたして米ドルは長い下落トレンドから脱却できたのでしょうか?
米ドルは下落トレンドを抜けた
バイデン新大統領誕生が転換期
トレンドに大きな影響を持つのは「財政政策」
2月2日17時時点(日本時間)では、1ドル105円を巡る攻防になっています。前日には1月ISM製造業景況指数が事前予想の60.0を下回り、58.7でしたが、動意薄。1月15日に発表された12月小売売上高も事前予想の0.0%を大幅に下回るマイナス0.7%、自動車関連を除いてもマイナス1.4%と振るいませんでしたが、為替への影響は小さかったです。
1月27日にはFOMCやパウエルFRB議長の声明も発表され、ゼロ金利政策の継続や、量的緩和策についても変更は見られず、金融引き締めはかなり先だなという感じでしたが、それでもさほどの影響もありませんでした。金融政策について、市場はもはや折り込み済みなのでしょう。
そうなると気になるのは、バイデン新政権による「財政政策」です。オールブルーによって議会のゆがみがなくなったことが、財政政策の機動性をアップしており、そこへの期待感は強いはずです。総額1.9兆ドルの追加財政政策も出動されることになり、懸念材料は払拭されてきています。これが米ドル下落トレンドの転換期になったのではないでしょうか。
今週発表の雇用統計の影響は?
2月1週目ということで、金曜日には雇用統計の発表となりますが、結果についてそれほど期待はできないです。ただ毎週の新規失業保険申請件数は事前予想より改善された数値が多いので、失業率は前回同様良くなっている気はします。ただ非農業部門雇用者数があれだけ事前予想と乖離しており、ネガティブサプライズだったのにもかかわらず、為替自体には大きな影響を与えていないことを考えると、今回も動意薄なのかもしれません。
どちらかというと、経済指標が悪く、株価が下落してリスクオフとなり、米ドル買いという流れになっています。やはり株価と違い、為替はいろいろな要因が複雑に絡み合っているので、読みにくい部分はありますね。投資として簡単なのは間違いなくFXよりも株式でしょう。
米ドルはどこまで上昇するのか?
1ドル105円をブレイクできたらすぐに106円に到達する
そもそも1ドル103円とか、104円が米ドル安過ぎるんですよね。私の基本ラインは1ドル112円なので、それより下はすべて米ドル安という感覚です。ただ、利下げで以前の状況ではないので、112円は難しいかもしれませんが、それでも108円が普通のラインだと思います。
ですから順調に回復してきたということになれば、ここまでは戻るのではないかと期待しています。1ドル105円を完全にブレイクできたら、すぐに106円に到達するはずです。ただし、ダマシもあるので、105.20円くらいだとまだブレイクしたうちには入らないでしょう。反発して104円前半まで下落する可能性もあります。
下落トレンドは抜けたのではないかと考えますが、まだ上昇トレンドには至っていないので、狭いレンジでのもみ合いは続きそうです。106円を抜けると明確な上昇トレンドと考えていいのではないでしょうか。
ビットコインの価格が一番気になる
ビットコインの値動きはかなり気になりますね。資産を仮想通貨に流す動きは強まっているのは確かです。ボラティリティ(変動率)が激しすぎて、恐ろしいですが、今後はビットコインのレートが為替に強い影響力を持つようになるのではないでしょうか。
仮にそこに相関が発生すれば「ビットコインの下落=米ドル上昇」ということになっていくのかもしれません。それにしてもどこまでビットコインは上昇するのでしょうか?10万ドルとか本当にあり得るのか?
原油価格はバイデン新政権になって大きく変わってきそうですね。あれだけ減産体制を徹底しようとしていたのに、増産に変わってしまいましたからね。2021年に入って原油価格1割減の見通しもあるようです。カナダドルあたりは影響が大きそうです。
ニュージーランドのアーダーン首相のことをリスペクトしているので、NZドルも気になるところ。農作物関連は価格上昇でニュージーランド経済は期待できますし、先週、中国との自由協定強化にも署名しました。中国への輸出はさらに伸びるでしょう。問題は米中貿易摩擦が今後どうなっていくのかですね。
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