「FX」は外国の通貨を扱うという点で、両替と共通点がありますが、両者は決定的に異なります。それは「実際に海外の通貨を保有できるのかどうか」ということです。例えば1ドル105円だとして、105万円を1万ドルに両替した場合(手数料は抜きで考えています)、実際にドルを保有することになります。FXでも105万円を入金してドルを買うことができますが、実際にドルを保有しているわけではありません。今回は、この違いは何なのか、この違いによって取り引きにどのような違いが生れるのかについてお伝えしていきます。
現物取引と証拠金取引
現物取引とは
現物取引って、言葉を見る限り実際にドルを保有できる取り引きってことかな?
そうだね。両替はまさに現物取引だよ。
株取引も基本は現物取引です。お金を払って、その金融商品を手に入れ、値段が高くなれば売って利益をあげることができます。取り引きと聞いてまず最初にイメージするのが、この「現物取引」ではないでしょうか。両替の場合、円を持って実際に両替所に行って、ドルに両替します。銀行や空港でも両替は可能です。手数料は高く、為替レートは両替する場所でかなり異なります。現在では「ネット外貨両替サービス」も利用者が増えています。
証拠金取引とは
じゃあ、証拠金取引はイメージできる?
証拠金取引?あんまり聞いたことがないな・・・
FXと呼んでいるので「証拠金取引」という言葉は馴染みがないかもしれません。まさにこの「外国為替証拠金取引」(FX)こそが現物取引ではなく、証拠金取引です。FXブローカーに証拠金を預け、その証拠金に応じてドルを買ったり、ユーロを買うわけですが、実際にドルやユーロを保有しているわけではありません。データ上の保有というイメージです。為替レートが変動した際に差益が生れるので、そこで売れば実際に利益を受け取れます。ドルの変動であっても、利益分は円で受け取ることになります(ドル建て口座であればドルで受け取ります)。
ネットを通じて売買ができるので、両替所にわざわざ行く必要がありません。FXではスプレッドと呼ばれる手数料が発生しますが、メジャー通貨であればほんとうにわずかな金額です。コストがかからない点もまた現物取引と証拠金取引の大きな違いだといえます。
証拠金取引だからこそできること
そうか、だからいきなりドルの売りから注文を入れることができるんだ!
そう。円しか保有していないのに、いきなりユーロドルの通貨ペアを売買できるのも、あくまでも証拠金取引だからだよ
株取引も先物取引になると証拠金取引です。だからいきなり売りの注文から入ることができます。証拠金で売買しているので、どんな通貨ペアであっても問題なく取り引きができるということです。しかも証拠金取引だからこそ可能なことがもうひとつあります。これがFXの大きなメリットのひとつです。
なんだろう?現物取引ではできないことでしょ・・・
ヒントは「レ」から始まる言葉です
あっ!!もしかして
そうです。「レバレッジ」です。証拠金取引はレバレッジを効かせることが可能なので、実際の証拠金の数倍の取り引きができます。日本では金融庁の厳しくなり「レバレッジの最大は25倍」までに規制されていますが、25倍でも、単純に利益が25倍になるわけですから、かなりハイリターンです。もちろん損失も25倍になる可能性がありますので、ハイリスクになります。近年ではEU圏でも同様に規制が厳しくなり、レバレッジの制限は行われています。海外FXブローカーが盛んにオフショア市場に別会社を設立しているのはその対策です。
また、同様に「仮想通貨」の証拠金取引もレバレッジを効かせて取り引きができるわけです。仮想通貨の証拠金取引もまた実際にbitcoinなどの仮想通貨を保有するわけではありません。
ということは、仮想通貨の証拠金取引は、仮想の世界の仮想通貨なのか・・・頭が痛くなってきた
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「FXは国内FXと海外FXのどちらがいいのか?勝つためにはメリットとデメリットを確認しよう!」
まとめ
FXが「ハイリスク・ハイリターン」と呼ばれるのは、こういった理由からです。ただしレバレッジについて正しい知識を身につけ、有効に活用すればレバレッジは決してハイリスクというわけではないことに気づくはずです。その点は実効レバレッジについての内容でご確認ください。証拠金取引ならではのメリットを活かして、FXでぜひ大切な資産を増やしていきましょう。
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