投資比較：第3回　FXとバイナリーオプションは何が違うの？

実際にFXやバイナリーオプションの取り引きをしていない人からすると、「え？同じじゃないの？」というリアクションもあると思います。というより、どっちもハイリスクで、何か危ない匂いがプンプンするという印象が強いのではないでしょうか。確かにFXのEAもバイナリーオプションの情報教材なども怪しいのが多いですからね・・・詐欺商法も蔓延していますし。FXとバイナリーオプションは何が違うのかという点についてお伝えしていきます。

バイナリーオプションって何？

基本的に海外の業者を利用しているケースが多い

FXのレバレッジも金融庁の規制が厳しくなり、国内でも100倍や50倍のレバレッジで取り引きできていたのが、2021年現在は最大25倍になっています。近年では有識者会議も開かれ、10倍まで下げられるのではないかという噂も流れました。これはEU圏も同じですね。キプロスのライセンスなどでハイレバレッジを提供してた海外のFX業者は、別法人をEU圏外に設立して日本人トレーダーにサービスをなんとか提供している感じです。

これがバイナリーオプションになるともっと厳しい規制になっており、もはや以前の面影がない状態です。楽天証券などでもバイナリーオプションのサービスを提供していますが、以前のサービスを求めてほとんどが海外の業者を利用しているのではないでしょうか。Highlow.com（以前のハイローオーストラリア）などが有名どころです。FX業者に比べるとバイナリーオプションの業者はかなり少ないと思います。

判定時間に上がっているのか、下がっているのかを予想

通貨ペアを選択するのはFXもバイナリーオプションも同じです。FXも為替レートが上がるのか下がるのかを予想するのでその点も同じですが、バイナリーオプションには判定時間というものがあり、その判定時間に上がっていれば利益が出る。下がっていれば損失が出るという時間制限があるのが特徴です。

FXの場合はスキャルピングのように数秒とかいう単位で売買を繰り返すスタイルがありますが、ずっとポジションを保有し続けてスワップポイントを稼ぐこともできます。長期にも短期にも対応しているのがFXで、とにかく短期のみなのがバイナリーオプションですね。すぐにお金を増やしたいという人には魅力的に映るのでしょう。

国内だと規制で判定時間が2時間とやや長めになりますが、海外は30秒や1分といった超短時間の判定時間があります。判定時間が短いほどペイアウト率が高く、1.95倍などになっています。ですから短期間で、倍々ゲームが可能というわけです（国内は規制で1日12回の制限があります）。10万円→20万円→40万円→80万円→160万円→320万円→640万円→1,280万円ですから、8連勝すれば10万円の資金が1,000万円を超え、しかも費やす時間が数分ということも理論上では可能になります。このギャンブル性の高さがバイナリーオプションの魅力であり、世界中で規制の対象になる理由でしょう。

海外業者はリスクが高い

FXも海外の業者はサービスの内容が異なる

それを言ったら、海外FXもレバレッジ3000倍とか、入金ボーナス120％など、国内FXとは比べようもないほどのギャンブル性の高い投資になっています。ただ納税面は不利ですし、入出金方法などころころ変わるし、NDD方式（ノーディリンググデスク）とうたいながらどう考えてもDD方式（ディーリングデスク）だろうという不透明な業者もたくさん見かけます。出金拒否とか、口座凍結のトラブルもあり、長期の資産運用には間違いなく適していません。国内と違い、完全信託保全の業者などほとんどありません。いろいろなリスクがありますので、無理して海外の業者を利用する必要は感じないです。

トレードプラットフォームで、MT5やcTreaderなどが利用できるのは少しうらやましく思いますが、ボーナスなんて詳細を突き詰めていくと単なる客寄せパンダ、エビを釣るための餌に過ぎないです。ちょっとしたことで消滅するし、ルールも業者によって異なり複雑です。

ただ、バイナリーオプションの場合は、国内と海外では完全に別サービスなので、どうしても海外の業者を利用したくなるんでしょうね。リスクが高いのは承知のうえなんでしょう。国内のバイナリーオプションは限りなくFXに近いと思います。ですから国内でとなると制限が多いバイナリーオプションをやるよりFXの方がいいという結論になるのではないでしょうか。

短期で得た利益は短期で失う

持論ですが、

短期で得たものは短期で失う

と、私は考えています。半日で500万円稼いでも、翌日には500万円失っているというのがギャンブルであり、投資と投機の違いではないでしょうか。

ですから

FXでギャンブル的な要素をなるべく排除して、

長期の資産運用として利用していく分には

そこまでリスクは高くない

と思います。短期で稼ごうと欲張るから失うものが大きくなるんです。

そう考えると、FXはおすすめできても、バイナリーオプションはすすめられないです。もちろんギャンブル好きにはいいでしょうし、それを止めるつもりは毛頭無いです。ただし、そんな隙を突いて「このシステムなら絶対に稼げる！」とか、「このコミュニティに入れば勝てる情報が得られる」とかいう甘い宣伝文句には乗らないほうが無難だという点は注意してください。

まとめ

少ない資金から始められる。少ない資金でハイリターンを狙える。というのが最近のはやり文句のように感じます。これはFXにも該当するところはありますね。とにかく多くの個人投資家を取り込みたいという業者側の思惑だけで、そんな甘いもんじゃないと私は思います。甘い誘い文句が多いのがFXとバイナリーオプションの最大の共通点かもしれません。