FX(外国為替証拠金取引)は、トレーダーのおよそ8割が負けるといわれていますので、投資の中でも極めて厳しい世界です。そして負けるトレーダーの多くが「損切りできない」「損切りに失敗した」という理由で退場していっています。ただし一部のトレーダーからは「損切りするのはバカだ」「損切りするのはブローカーの利益になるだけ」という意見も聞こえてきます。はたしてFXで勝つためには、損切りをするべきなのか、するならどこでするべきなのでしょうか?
損切りできないなら、いずれは消える運命
資金管理ができない人は投資で負けて当然
FXで勝つための条件4つ
FXに勝つためにはいくつか不可欠な要素があります。簡単にまとめると、
① 情報収集にマメ
② テクニカル分析で節目をつかめる
③ メンタルコントロールができる
④ 資金管理ができている
この4つがしっかりできていれば、FXに大敗して退場していくことはないでしょう。この中でやたらと注目されるのが、①と②です。ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析といった「手法」ですね。もちろんこの手法がド素人同然では、勝率はまったく上がらずFXの損失は膨らんでいきます。だから①と②ばかりを追求するFX初心者が多いのです。
負ける経験で学んでいくのが③と④ではないでしょうか。③はソフト面、④はハード面といった感じで、どちらもリスクマネジメントには欠かせません。ギャンブルや投機としてしかFXを見てみない人は根本的に③と④が欠如しているケースが目立ちます。
資金管理ができないとどこまでも負ける
損切りできないのは、誰もが損をしたくないのでその心境はよくわかります。特に時間をかけて分析し、チャートにしがみついて1円も利益が出ないどころが、逆に損失が出るというのは納得できないでしょう。1時間アルバイトしたって850円くらいの報酬はあるのです。しかしFXは5時間必至になっても10万円損することもあります。割に合わないのでFXをやめる人も大勢います。
問題は損失を最小限で確定する損切りですが、これはリスクマネジメントには絶対に欠かせません。自分のリスク許容範囲を把握できずに取引をしていると、20連勝しても1回の大敗ですべて失います。例えば2008年のリーマンショックの際には、わずか4ヶ月で2,300pips以上ドル円は暴落しました。さらに2年間で1,200pips以上下落しています。実効レバレッジをどのくらいで取引していたのかによりますが、いつか戻るだろうと思って塩漬けにしていたらほぼ確実に強制ロスカットになっているはずです。
逆に損切りできるトレーダーは最小限のダメージに抑え、新しいトレンドに乗ってその損失を補うことができています。これまでドル円のロングだったのが、ショートに切り替えるような対応が柔軟にできるということです。損切りできない人はズルズルいって最悪な状態で損失を確定し、復帰不可能になってしまいます。この差は天地の差です。
リスク許容量は資金の2%
FX初心者は2%ルールを適応すべき
投資において許容できるリスク量は2%といわれています。例えば500万円の資金で資産運用しているのであれば、含み損は10万円までです。含み損10万円で損切りする必要があります。資金が490万円でもまだまだ挽回ができるでしょう。ただし、許容できる含み損は9万8千円となります。これが「2%ルール」です。
FX初心者はまずこのルールに則って損切りをすべきです。資金が10万円だと2千円の含み損で損切りですから、建玉の保有数によっては損切りが続いてしまうことになるので、千通貨から扱えるFX業者を選ぶとか、1万通貨が安い通貨ペアを選ぶなどの工夫が必要になってきます。
ここで無理して限界まで建玉を保有すると、あっという間に強制ロスカットです。「とにかく稼ぎたい」という気持ちが強くなりすぎて無理なトレードを繰り返していると、いつか必ず大敗します。それを防ぐためには資金管理は絶対に重要なのです。
1億円勝っても、2億円負けたら敗北者
FXでよく「私は1億円稼ぎました」というような誇大広告を見ます。確かに1億円稼いだのかもしれませんが、ギャンブルトレードで稼いだのだとすると、翌日には2億円負けている可能性があります。そんな資産運用では、なんの参考にもなりません。
1億円の資金があっても、10万円の資金であっても、同じトレードができる資金管理の力や、メンタルが大切です。
FXは相場が暴落していても勝てます。その点は現物取引との決定的な違いです。今後、株価が急落していく中でFXを始めようと考える人も増えてきそうですが、「どうすれば勝てるのか」「どうすれば負けないのか」この2点は徹底的に追求していくべきです。
まとめ
ハイリスクのFXでは、資金管理できない人はいずれ消えます。遅かれ、早かれの話です。
コメント