コロナ禍からの経済復興が見えてきたことでアメリカの長期金利は上昇。それに伴いドルも急騰しています。3月13日時点で、2020年6月以来となる1ドル109円まで回復しました。ドル円の含み益は「35万円を突破」。1年前から目標にしてきた1ドル112円到達も現実味を帯びてきています。
ただし、昨年の3月の急騰、暴落の過去は忘れてはいけません。それでなくとも年度末の3月下旬はドルが売られて円買いが強まる時期です。はたして2021年3月中旬は為替相場はどう動くのでしょうか?重要なポイントをご紹介します。
注目は3月16・17日に発表されるFOMCの金融政策
3月に入ってからの為替の動き
長期金利は1.63%まで上昇
3月に突入した時点では、1.45台だったアメリカの長期金利ですが、3月4日のパウエルFRB議長の発言もあって1.6%を突破しました。金利上昇を抑制するような話題には言及しなかったというだけですが、これが容認と受け止められて長期金利は上昇しました。
3月11日には1.48%まで下落するものの、バイデン大統領が1.9兆ドル規模の追加経済対策法案の署名したことで、ダウ平均株価は史上最高値を突破。景気抑制の時期も早まるのではという予想もあり、再び1.63%まで上昇しています。
1ドル109円にタッチ
長期金利上昇を背景に、ドルは堅調。昨年の6月ぶりとなる1ドル109円に到達しています。現状はこの辺りでもみ合いの状態。109円をブレイクするところまでは至っていません。ただし下値も限定的で、108円50銭まで下げてもまた上昇しています。
注目は1年振りとなる1ドル110円ブレイクです。勢いとしては充分可能性があります。アナリストの中にはこの状況を見て、1ドル120円まで上昇するのではないかと意見を簡単に翻しているほど。確か年内に90円台まで下落するとか言っていたはずなのに・・・。
確かに本格的な円安はこれからの様子ですが、アナリストがこぞってドル高を強調し始めているのが逆に怖い。以前お伝えしていたように1ドル110円まできたらショートもありだなと考えていますので、ポジションを増やしていく可能性があります。
3月の注目点
FOMCの内容がポイント
市場の注目はFRBの金融政策に集まってきています。3月16日・17日のFOMCの内容がどうなるのかで、ドルの動きはかなり変わってくるでしょう。
・オペレーションツイスト導入 → ドル売り
・現状維持 → ドル買い
3月11日のラガルドECB総裁の会見で、イールドカーブコントロールを行っていないと言及したことでユーロはやや強含みました。市場が気をもんでいるのは、金融引き締めの時期がどれくらいになるのかという点です。次はFRBのスタンスが表明されますが、ここで資産購入額を増額するとか、金利上昇を抑制するような具体策とかに言及されると、ドル売りの流れに変わりそうです。長期金利上昇が前向きな経済的兆候だと容認するような発言があると、ドル買いは強まります。
現在はブラックアウトの時期なので関係者のコメントは聞かれませんが、3日の段階ではエバンズ・シカゴ連銀総裁は容認発言でしたので、期待してしまいますね。
恐怖の3月を思い出す
昨年の3月は恐ろしいボラティリティの高さでした。101円まで下落して111円まで上昇して、また急落するという急転直下。さすがに状況が異なるので、今年また再現される可能性は極めて低いですが、そういうこともあったことは思い出しておく必要はあるかもしれません。まあ、ストップ狩りの嵐だったのが昨年の3月です。
情報にはさらに敏感になっておきましょう。日銀の長期金利に対してのスタンスも、しっかり見極めることが大事になりそうです。
後はここまで高騰しているダウやビットコインが今後どうなるのかという点も気がかりです。どう考えても今後下落しそうですが、なかなか下落しません。インデックスの投資にも回したいが、今じゃないだろうという心の声が強い。ここはしばらく様子見ですね。
まとめ
とにかく3月はFOMCの声明に注目。ただ、円安ドル高の本格的な動きはここからだと期待しています。
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