損切りとは何か
FXで勝つための鉄則は「損切りすること」です。よく聞くフレーズですが、損切りとは何でしょうか?
損切りとはある程度の含み損を抱えた際に、それ以上損失が大きくなる前に決済してしまうことです。損失を最小限に抑えるための方法ですから、まさに「リスクマネジメント」の基本です。ですから損切りできることが、FXで勝つための絶対条件となっています。
問題は誰しも「損をしたくない」ということです。時間を費やし分析し、取り引きし、その挙げ句が損失を出して元本割れだとさすがに納得できるものではありません。この損をしたくないという感情をどうコントロールできるかが、勝てるトレーダーと勝てないトレーダーの境目ともいえるでしょう。損切りできずどんどん含み損が膨らんで、やがて強制ロスカットになる……これは為替で負ける典型的なパターンです。100%勝ち続けることができるトレーダーなどこの世に誰もいないのですから、多少の損失は割り切って受け入れることが大切です。
損切りの方法
損切りには3種類あります。
①逆指値注文を入れて、その為替レートになると自動的に損失確定になる。
②pipsの損切り設定をしておき、含み損が設定に達したら自動的に損失確定になる。
③成行注文で、チャートを確認しながら裁量トレードで損切りする。
FX初心者は③だと、感情が邪魔してどうしても損切りできなくなる傾向があります。取引ツールの機能にもよりますが、①か②の設定をして、自動的に損切りされるようにしておいた方がいいでしょう。
損切り貧乏って何?
ただし、損切りしていれば為替に必ず勝てるのかというと、そういうわけではありません。損切りが続くということは結局は損失が積み重なっていくということですから、状況は厳しくなります。例えばボラティリティ(変動率)の高い通貨ペアで、「マイナス5pipsになったら含み損」と決めた場合、約定したら即損切り、また約定したら即損切りということにもなりかねません。損切りが続いて損失ばかりが積み上がっていくのを「損切り貧乏」とも呼びますが、設定がおかしければいくら損切りしても最終的にFXに負けます。
つまり、「損切りは必要だが、利益を出せる設定にして、さらに分析の精度を高めて予測が当たるようにしていく」ことができなければ為替では利益を出せないということです。この業界は「8割以上のFXトレーダーが負ける」といわれています。利益を出せるFXトレーダーはほんの一握りです。大きな勝ちを吹聴しているFXトレーダーもいますが、1度の勝ちにたいした意味はありません。問題はトータルで勝てるかどうかです。「俺は1億円稼いだ」と言っても、その後で3億円負けているのだったら利益どころか借金です。ですからFXで勝つためには「損切りできるか」ということ以上に、「適正の損切りができるのか」という点が重要になります。トータルで勝てる一流トレーダーはそれができているということです。
適正な損切りってどう設定するのか
目安となるのはリスクリワードレシオ
FXの重要なリスクマネジメントのひとつに、「リスクリワードレシオ」があります。簡単に説明すると「勝ち分の平均÷負け分の平均」です。リスクリワードレシオは小数の数値で表します。例えば9回勝って9万円を稼いだとします。しかし1回大敗して10万円負けたとしましょう。リスクリワードレシオはどうなるでしょうか?
(9万÷9)÷(10万÷1)=0.9
となります。この場合のリスクリワードレシオは0.9です。このように負けの方が大きくなると1.0を下回ります。1.0だとプラスマイナス0ですから、資産は増えも減りもしません。いくら勝率が良くても、損切りできず1回大敗してしまうとリスクリワードレシオは1.0を下回り、利益が出ないのです。ですから勝率よりもリスクリワードレシオが重要になります。
適正なリスクリワードレシオはいくつ?
理想になりますが、目標はリスクリワードレシオ3.0です。1回の取り引きで3万円含み益が出ると利益確定、1万円の含み損が出ると損切りという割合になります。損切りの3倍で利益確定するということですね。なぜこれが理想なのかというと、リスクリワードレシオが3.0であれば勝率25%でも損失は0だからです。つまり4回の取り引きで1回でも勝てると損失は出ません。確かに1万円の損切りを3回行っても、3万円の利益確定を1回できればチョンチョンです。
これはあくまでも理想なので、リスクリワードレシオが2.0でも構いません。ここは勝率によって左右される部分です。FXを行う上で目標の設定は重要です。1ヶ月にこれだけ稼ぎたいという目標はきっとあると思います。しかしこの目標設定を優先すると無理なトレードを行わなければいけなくなり、損切りできないといった問題を生み出すのです。ですからまずは「リスクリワードレシオの目標を決める」ことをしましょう。例えばリスクリワードレシオ3.0に設定し、勝率25%以上を目標にするといった感じです。するとどれだけの値幅で利益確定するのか、どの値幅で損切りしなければならないのかが決まってきます。
長期売買であればリスクリワードレシオは高めで設定したいですし、逆に短期売買であればテクニカル分析を活用して勝率を高められるのでリスクリワードレシオはやや低めでもいいでしょう。自然と長期売買の場合は損切りの幅も広くなります。
このようにただ単純に損切りするのではなく、全体像をイメージしながら損切りできるように経験を積んでください。それが一流FXトレーダーへの道です。
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