2月までの含み益が『940pips』、プラススワップポイントが『2万円突破』という状態で、1ドル104円のサポートライン、株売りドル買い、2月中での106円ブレイクとここまでは予想通りの展開ですが、そう簡単にはいかないのがFX。はたして3月はどんな予想外の動きをするのでしょうか?
一時的に1ドル106円割り込んでも、ドル高トレンドは続く
2021年2月のドル高要因
予想以上の経済回復ぶりが反映
ワクチン効果もあり、世界の経済状況は改善されつつあります。その傾向は予想以上の状況です。アメリカの2月下旬の経済指標を見ても、かなり上向きであることが確認できます。
・2月17日 小売売上高 事前予想 プラス1.0% → 結果 プラス5.3%
除自動車関連 事前予想 プラス1.0% → 結果 プラス5.9%
1月生産者物価指数 前年比 事前予想 プラス0.9% → 結果 プラス1.7%
コアPPI 前年比 事前予想 プラス1.1% → 結果 プラス2.0%
1月鉱工業生産 事前予想 プラス0.4% → 結果 プラス0.9%
・2月18日 フィアデルフィア連銀景況指数 事前予想 プラス20.0 → 結果 プラス23.1
・2月19日 1月中古住宅販売件数 事前予想 660万件 → 結果 669万件
・2月22日 1月景気先行指数 事前予想 プラス0.3% → 結果 プラス0.5%
・2月23日 2月消費者信頼感指数 事前予想 90.0 → 結果 91.3
・2月25日 新規失業保険申請件数 事前予想 83.8万件 → 結果 73.0万件
耐久財受注 事前予想 プラス1.1% → 結果 3.4%
除輸送用機器 事前予想 プラス0.7% → 結果 1.4%
・2月26日 個人所得 事前予想 プラス9.5% → 結果 プラス10.0%
PCEコアデフレーター プラス1.4% → 結果 プラス1.5%
ミシガン大消費者信頼感指数 事前予想 76.5 → 結果 76.8
第4四半期GDP確定値がプラス4.2%の事前予想に対して、結果がプラス4.1%だったくらいなもので、ほとんどの指標が予想を上回るものでした。ここまで上回ることも珍しいです。
長期金利の上昇
2021月1月28日の時点で1.04%ほどだったアメリカの10年債利回りは、ジリジリと上がり続け、2月15日には1.3%を突破、2月24日には1.4%も突破、一時期は2月25日の時点で1.6%も突破しました。短期金利が変わらない状態で、長期金利がどんどん上昇しているのは、インフレ目標を達成してFRBが早期に利上げするのではいう予想が強くなってきたからでしょう。
パウエルFRB議長は議会証言の中で、インフレ目標達成までには3年間はかかると念押ししたものの、長期金利上昇は問題視していないようです。さらに短期金利と長期金利の格差は広がっていくかもしれません。
市場のコンセンサスが緩和縮小に傾いたことで、急激に株価が下落しています。実際のところテーパリングについてまったく匂わせていないのですが、2022年末には資産購入終了し、アメリカの利上げ予想は2024年から2023年に前倒しとなっています。これが経済状況が回復しているのに、いち早くリスクオフの動きになっている要因です。市場は噂先行ですから、当然の流れでしょう。
結果として2月は株を売って、安全なドル買いの動きが強まったわけです。
年度末の3月の為替相場はどう動く?
戻りはあってもトレンドは継続しそう
2月に上昇トレンド時には「フィボナッチリトレースメント」についてお伝えしました。今後も戻りで一時的に1ドル106円を割り込む可能性がありますが、総合的には上昇していくのではないでしょうか。
一見ドル高に思えますが、そもそも1ドル108円ラインが通常の為替レートだったと考えるとまだドル安の相場です。本格的に利上げが見込めるようになれば以前のように112円まで回復していくでしょう。そこまではまだ当分かかりそうですね。
1ドル107円をブレイクすると、108円タッチはすぐだと予想しています。DMMFXのドル円のプラススワップが11円をつけており、長期金利上昇の恩恵で為替差益と利息の両方で稼げるのではと期待しています。
心配はイールドカーブコントロール(YCC)
2020年の段階でも懸念のひとつとして挙げましたが、長短金利操作にFRBが介入することでドルの上値を抑えてしまうことです。FRBがイールドカーブコントロールについて言及したことはほとんど記憶にありませんが、ECBからはその声があがってきているようです。それが2月のユーロ下落の要因のひとつになっていると思われます。
ハト派の意見が強い状況のアメリカだけにちょっと心配はしています。金融緩和継続をFRBは強調しているものの、市場がその影響をほとんど受けていない状態も不安定です。市場は噂先行だけに怖いですね。
後は6万ドルに迫る勢いで上昇していたビットコインが急落。一気に5万ドルを大きく割り込むところまで下げていますので、仮想通貨の危うさを改めて露呈する3月になるのではないでしょうか。一匹のクジラの売買でここまで価格変動するのはハイリスク過ぎますよね。こちらはドル買いの要因になると予想しています。
コメント