事前の予想をまったく裏切ることなく、ハチャメチャなアメリカ大統領選挙が終わりました。バイデン氏ははっきりと勝利宣言。トランプ大統領は潔くなく、未だに敗北宣言をしていません。郵便投票でもめるのも、法廷闘争にもつれこむのも、想定されていたシナリオのひとつですから大きな混乱にはなっていません。問題は株価が最高値を更新している一方で、円高ドル安勢いが衰えないことです。
はたして2020年内に1ドル100円割れは実現するのでしょうか?今回は2020年11月から2021年にかけての為替相場予想をしていきます。
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FX分析:2020年10月の注目点と為替予測
アメリカ大統領選挙の結果
リスクオフの流れ
株価上昇はトルプルブルーを実現できそうもないという見方が強いからでしょう。上院が共和党で過半数を占めるとねじれがおこります。バイデン氏の掲げる富裕層や企業に向けた増税政策は、そう簡単に実現できなくなります。
トランプ大統領が去れば、世界の秩序が改善されるという見通しもあります。ワクチン開発も10種類ほどがp3を行っており、予想以上に速い開発が期待されています。市場が楽観視している理由です。
11月6日には雇用統計が発表されましたが、注目の失業率は事前予想の7.6%よりポジティブな結果で6.9%。平均時給こそかわりはありませんでしたが、非農業部門の雇用者数は事前予想の58.0万人よりポジティブで63.8万人でした。大統領選挙のごたごたで動意薄ではありましたが、アメリカ経済や以前の勢いを取り戻しつつあるのは間違いありません。
パウエルFRB議長はマイナス金利の深堀こそ実施しないものの、金融緩和がしばらく続くことを声明で発表しています。株式には追い風といった状態です。
リスクオンの流れ
議会のれじれは、追加財政政策の実にとっても大きな障害になります。半年近く延び延びになってきましたが、上院を共和党が抑えるとその実現も遠のくことになります。
結局は投資しているような中級層以上だけがおいしい思いのできる体制です。アメリカではコロナ禍のさらなる拡大もあり完全にリセッション(景気後退)を脱したわけではなさそうです。これからのアメリカが本当の試練を迎えるのかもしれません。だからこその米ドル売り、株買いという資金の流れです。
どこまで下がるの米ドル
ボラティリティの低い米ドル/円
どちらかに大きく動くことは稀な米ドルと円の関係ですが、現状はあきらかに円高ドル安のトレンドです。MT4の追加インジケーターで、「old CCFp & alerts original」では通貨の強弱がはっきりサブチャートに示されますが、ユーロ(黄色ライン)、米ドル)(緑ライン)と比較して円(赤ライン)は圧倒的な強さを誇っています。
通貨という面では、明らかにリスクオフで円買いに働いているわけです。この強さで進むとあっという間に1ドル100円を割り込みます。アメリカとしてもここまでの円高ドル安は望んでいないはずですし、国も日銀も確実に何らかの手を打ってくるはずです。
バイデン氏の勝利宣言や上院の結果によっては、ドルが再び買われ始める可能性もあります。逆にまだまだもめる様相で、財政政策も期待できないとなるとさらなる下げも十分ありえます。
結論としては下値は1ドル90円くらいかもしれないです。上値ががっちり抑えらえているのでこの状況でも逆張りはリスクがあります。1ドル104円台まで戻すのが限界かもしれません。
ひとまずMT4に追加できる「Custom Candle6」のインジケーターで下位チャートを15分足、上位チャートを1時間足にして重ねて表示してみました。赤枠は陽線にいじっています。引きに近づいて少しだけドルが盛り返していますが、なんといっても1ドル103円半ばにも届いていない状態。このあたりが底値であったのならとりあえずじっくり回復を待てそうです😊
まとめ
ドルコスト均等法(例:毎月1万円分の米ドルを買う)のようなトレードスタイルがあるほどですから、米ドルのロングポジションを抱えている人たちもたくさんいると思います。辛抱か、あきらめて損切りか、この選択は重要ですね。できれば上向くまで我慢したい!しかし2年かかるかもしれない・・・。トランプ大統領の幕引きがまた大きな影響力を持ちそうです。
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