FX2020年8月ドル円はドル高進行?いやいやこんなもんまだ本物のドル高じゃない!

FX【実践トレード編】
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8月も中旬にさしかかり、状況も少しずつ変化しつつあります。FXでは最も注目されるアメリカの通貨「米ドル」が買われてきているのです。ドル円では一時1ドル104円割り込むまで下落していましたが、8月に入って1ドル107円ブレイク手前まで上昇しています。300pipsほどは伸びてきている感じです。傾向的には「ドル買い」「ドル高」ではありますが、はっきり言って通常の為替レートにもまだ達していないので、ドル高にはまだほど遠い状態です。チャンスはあるだけにもどかしいのですが、どうなれば本当のドル高になり、どこまで伸ばすのでしょうか?

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8月13日のドル円チャート分析

ドル円の日足チャート

DMM FXチャート

EMA(指数平滑移動平均線)の短期線が上昇時に下から中期線に接近中。上抜けしたら完全に上昇トレンド突入ですね。そうでもしないと通常のドル円の為替レートに戻りませんからね。1ドル108円まで値を戻して平常時と考えるべきです。108円突破してきて初めて本当のドル高ですね。私の目論見は長期売買で1ドル112円まで粘ることなので、まだまだ超えなければならないハードルがあります。それが107円と108円のレジスタンスラインです。ここには売りがかなり集まっているので、当然ブレイクしたらストップロスを巻き込んで一気に1円くらいは上昇するんですが、ここが厚い。そしてブレイクするには材料不足。これがドルについてまったく楽観視できない理由です。

ドル円の時間足チャート

ドル円の時間足チャートを見ると、1ドル107円手前の売り圧力に負けて跳ね返されています。「ISM非製造業景況指数」「8月6日の先週分新規失業保険申請件数」「雇用統計」そして8月11日の「PPI」(生産者物価指数)、8月12日の「CPI」(消費者物価指数)すべてが良好な結果で、アメリカの10年債利回りも一時は0.51%まで低下していましたが、0.66%ほどまで回復しています。安全資産の金が売られ、1オンス2000ドル突破したところから1900ドルまで辺りまで急落。ドル買いの要素はかなり揃ってきています。にもかかわらず、いまだに1ドル107円もブレイクできていないのは、厳しいですね・・・。

ユーロドル日足チャート

もうそろそろ下落してもいいだろうというユーロですが、しぶとくまだ粘っています。今週発表されたドイツの「ZEW(欧州経済研究センター)景況感指数」が71.5と2004年以来の高水準、ユーロ圏も64.0とユーロ圏の好調ぶりを見せつける結果になりました。ZEWはIFO景況感指数の先行指数とも呼ばれているだけに、こちらも期待できそうです。1ユーロ1.189ぐらいまで値を戻してきそうです。この辺りでショート入れたいところですねー。IFO注文は指値で入れていますので、反発したところで少し稼げたらと思っています。ユーロは変動が激しいので、ある程度のラインですぐ利益確定してしまった方がよさそうですね。

どうして本当のドル高にならないのか?

財政政策がまったくスムーズに進まない

すぐに合意されるかなと思っていたのですが、2兆ドル規模の追加財政政策が揉めていますね。大統領選挙が近いことも要因のひとつかもしれませんが、共和党と民主党が話し合いのテーブルにもつかないような膠着状態です。失業給付金上乗せ延長などがいくつか大統領令で発令されましたが、ここがとにかくドル上昇のストッパーになってしまっています。

ムニューシン財務長官からはネガティブな声明ばかり発せられるので、そのたびにまたドルが下落するという悪循環です。いい加減もう決まるだろうと思いますので、そうなると1ドル107円は楽にブレイクできそうです。1ドル108円近くまでは上昇してくるのではないでしょうか?

米中対立の懸念

そしてもうひとつドルの不安要素が、アメリカと中国の対立の激化です。恐ろしいシナリオは第一段階貿易合意の見直しや解消。ビジネスマンのトランプ大統領はそのあたりのバランス感覚に優れているので、これ以上揉めても誰も特をしないということはわかっているのでしょうが、中国も開き直って報復行動を取るので、怖いんですよね。こういう時こそ日本が間に入って存在感を発揮すればいいのに、逆に存在感消していますからね。こういうシーンはもったいないなと感じます。アメリカも中国も叱りつけるぐらいの姿勢を見せてほしいです。

中国の保有しているアメリカ国債、株式の凍結、または売却なんてことが現実化するとまた大混乱です。このとてつもなく大きなリスクが、どうしてもドルの足を引っ張っています。ただ、財政政策と違って、こちらの問題が解決するということはないでしょうから、懸念が強まることだけはやめてほしい。

まとめ

良好な経済指標の結果からドル買いの流れになるのは自然ですが、ここから一段、二段上げるためには、とにかく重要なふたつのファンダメンタルズ要素を乗り越える必要があります。逆にいうと、ここでネガティブなヘッドラインが入ると暴落の危険もあるという状態です。はっきりいってトランプ大統領の手腕にかかっているでしょうし、ここを上手くしのげば、再選の可能性も高まると思います。「1ドル108円突破してきて、本当のドル高」ですね。

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