7月30日早朝にFOMC(米連邦公開市場委員会)、パウエルFRB議長の声明がありましたが、想定内の内容だったこと、フォワードガイダンスの明確化を先延ばしたことなどによって1ドル105円のラインはなんとか死守されています。FXトレーダーにとっても問題は今晩、7月30日21:30(日本時間)に発表されるアメリカの第2四半期GDP速報値でしょう。はたしてどこまで為替レート変動に影響してくるのでしょうか?
第2四半期米GDPの恐ろしすぎる事前予想
事前予想はなんとマイナス34.5%
第1四半期はコロナショックによってマイナス5.0%だったわけですが、4月から6月にかけての第2四半期はなんと前代未聞の「マイナス34.5%」の予測になっています。今朝のパウエルFRB議長の危機感溢れる声明、低迷したここまでの経済指標結果を並べていくとまあ仕方のない数値なのかもしれませんが、恐ろしすぎるマイナス幅です。問題は市場はこれをどこまで織り込んでいるのかということでしょう。現状は誰が見ても明らかなようにドル売り・ドル安が続いています。しかも2021年末までこの状況は続くのではないかという見込みが強いです。大手機関、個人投資家のほとんどが、どう考えてもドルに見切りつけているはずでしょう。マイナス34.5%を織り込んでの現在のドル安のはずです。
まずもってFFレート(アメリカの政策金利)が利上げされることは今年はないでしょう。来年もないはずです。短期金利だけでなく、長期金利も大きく低迷しておりまったく魅力のなくなっている状態です。それが今の「1ドル105円ライン」なのです。現実に実質GDPマイナス34.5%を突きつけられたら、市場は混乱しさらにドル売りが加速し1ドル90円まで円高が進むという予想もありますが、そんなに簡単にいくのでしょうか?だとすれば現時点で1ドル100円を割り込んでいてもおかしくはないはずです。それでもドルが持ちこたえている状態に目を向ける必要があるような気がしてなりません。
ドル円の時間足チャート
一時的には1ドル104.80円まで安値をつけていますが、それでもブレイクまでは至っていません。月末ということもあり、いろいろな要素が為替レートに影響を及ぼすので様子見といった感じなのでしょう。GDPの結果で大きく動き出す可能性はあります。ただし、マイナス34.5%があまりにもインパクトありすぎるため、マイナス30.0%ぐらいだと逆にドル買いの動きもありえます。明日のEU圏、ユーロ圏のGDPの発表を見定めてからという構えもあるでしょう。EU圏もユーロ圏も前回はマイナス3%台で、今回は2桁のマイナスになることが見込まれていますから厳しいのはアメリカだけではないということになるでしょう。
GDPの結果でドカンと下がるか、もう少し持ち直すか、どちらかには動きそうです。1ドル104円半ばまでいったら一気に加速するでしょう。上にもストップロスはかなりあると思いますから、上昇すれば簡単に1ドル106円は突破しそうです。
ユーロドルの日足チャート
ユーロドルの上昇基調が本当に衰えることがありませんでしたが、ここにきてようやく落ち着いてきました。1ユーロ1.17ドル半ばでもみ合いです。もう少し下落してもみ合うかなと予想していましたが、やはりドルが圧倒的に不利な状況もあり、ユーロ高は変わらずです。これがアメリカのGDP、EU圏のGDP結果で逆転現象となるのか?それともさらに上昇トレンドを形成するのか?ドキドキですね。
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「FXテクニカル分析:ローソク足チャートのはらみ線で上昇・下落を予測」
まとめ
とにかく市場がどこまで織り込んでいるのかということに限ると思います。マイナス34.5%よりもネガティブな結果であれば大変なことです。本当にそこまでアメリカ経済が悪化しているのか。速報値はGDPの中でも最も注目される指標なだけに、ここは重大な局面を迎えそうです。無制限量的緩和が維持される中でもドルは復活できるのか?注目の21:30になりそうです!
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