2022年6月以降下落トレンドが続いている南アフリカランド/円(ZARJPY)。
利上げの気配がまったくない日銀に対して、南アフリカ準備銀行(SARB)は2021年9月以降、段階的に政策金利を引き上げ3.50%から2023年2月には7.25%という高い金利になっています。
にも関わらずなぜ南アフリカランド/円は円高ランド安になっているのでしょうか?
今が南アフリカランド/円の買い時なのかについて解説していきます。
テクニカル分析
1ランド7.00円が強いサポートライン
週足チャートの南アフリカランド/円ですが、2021年から見ていくと、下落パターンのダブルトップとなっています。
ネックラインは1ランド7.00円。
ここに強いサポートラインがあり、2021年11月と2023年3月の2回反発しています。
割り込めば6.00円を割り込むところまで急落していく可能性があります。
買いスワップは13円
高金利通貨なので買いでポジションを保有していきたいところ。
DMMFXのスワップポイントは、2023年4月時点で買いでプラス13円、売りでマイナス16円となっています。
1ロットが安いので10ロット、20ロットは簡単に保有できますので、毎日数百円のプラススワップを積み上げていくことができますが、この下落トレンドの中ではリスクが高いです。
7.00円をブレイクスルーするとストップロスを巻き込み一気に急落し、ロングポジションが多ければ一気に積み上げてきたプラススワップを吹き飛ばしてしまいます。
ここでの中長期の買いはあまりおすすめできません(あくまでも私個人の意見です)
ファンダメンタルズ分析
南アフリカが抱えるリスク
昨年末にはラマポーザ大統領の汚職行為防止法違反の疑いが浮上し、南アフリカランドが大きく下落したことがありましたが、結局特別国会で弾劾手続きは見送りとなりました。
2024年に議会総選挙を控えていますが、その影響はあまりないようです。
一番の問題はやはり電力不足。
もはや国民の生活が不便というレベルではなく、大統領が災害事態だとコメントを発表するほど。
南アフリカ電力の9割を占める国営エスコムは、2023年にこれまでの2倍の計画停電を実施する見通しだということで、南アフリカの鉱業・製造業に与える影響は深刻です。
アフリカ開発銀行(AfDB)も南アフリカの経済成長は2024年まで低調だという見通しを示しました。
一方で世界最大と呼ばれる失業率は2022年10月~12月が32.7%と依然として高く、インフレ率も2023年1月の消費者物価指数(CPI)がプラス6.9%とようやく7.0%を割り込んだもののAfDBの目標値(3.00%~6.00%)を上回っています。
世界的な景気低迷で南アフリカランド売り
インフレが高いため内需低迷の懸念は世界中で起こっています。
世界的な景気低迷となると、真っ先に売られるのは新興国通貨です。
ちなみに米ドル/南アフリカランドについては、昨年半ばで1ランド14ドルほどだったのが、今では18ドルまでランド安が加速しています。
リスクオフの中では、信用度の高い米ドルに資金が流れるのは自然です。
日銀の総裁がいよいよ植田氏に交代しますが、はたしてどのような金融政策を打ち出してくるのか?
日銀が金融引締めに舵を切れば、南アフリカランド/円の下落トレンドはさらに強まる可能性があります。
日銀の様子見状態になると思いますが、1ランド6.00円まで下落する心構えは必要だと思います。
まとめ
南アフリカランド/円はさらに下落する可能性が大。
反転するのは2024年以降かな、というのが私の見立てですね。
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