恒大集団リスクとFOMCの金融政策の間で、個人投資家がFXで利益を出す方法

2021年9月下旬になってにわかに賑やかになってきた為替相場。背景には中国のデベロッパーのデフォルトリスクと、アメリカのテーパリングの開始・利上げ開始が現実味を帯びてきたことが挙げられます。リスクオフ？リスクオン？ドル買い？ドル売り？情報が錯綜しており、判断が難しいところです。こんな中でも絶対にFXで利益を出すためにはどうすればいいのでしょうか？今回は私の実践トレードでダメージ最小限にして、利益を伸ばす方法についてお伝えしていきます。

基本的なコンセンサスはドル買い

9月FOMCとパウエル議長の会見

もはやアメリカがテーパリングに踏み切ることは間違いない状態でしたので、後はそのタイミングがいつになるのか、誰がハト派で誰がタカ派なのか、利上げ予測のドットチャートの中身、パウエル議長のスタンスに注目が集まった9月のFOMC。特に驚くべき内容ではなく、年内にテーパリングが開始され、2022年中に完了することと、2023年の利上げはほぼ確実で2回から3回に見通しが変更になったというものでした。予想していた以上にパウエル議長がタカ派寄りだったこともあり、そこだけが少しサプライズだったかもしれません。

意外だったのは、この結果が出ても長期金利が思ったほど上昇しなかったことです。ようやく債券売りが加速したのは本日・24日になってからで、10年債利回りは1.45％まで上昇、ドル買いの勢いは加速して、22日には一時1ドル109円12銭まで下落していましたが、24日の13時で110円40銭まで回復しています。もっとドル買いに動いていいはずなのに市場が慎重なのは、アメリカの債務問題もありますが、それ以上にリーマンショックの再来かと騒がれている中国の恒大のデフォルト問題です。

中国政府の決断がまだよくわからない

なにせ3,090億ドルというとんでもない桁の負債ですし、金融機関への影響も計り知れないだけにリスク回避の動きが出ても仕方のない話です。ただ、デフォルトになるのかどうかはいろいろなニュースが錯綜しており？？？の状態。見通しはオンショアを中国政府が手を差し伸べ、オフショアは見放すというものですが、ヘッドライン待ちが続いています。実際にリーマンショックのようになったら、為替相場も凍り付くわけで、リスクマネジメントは重要な局面です。

逆指値を入れて、最悪な状況でも切り抜ける方法

ポジションはドル円のロング

実際にDMMFXでドル円を取引している中身です。ドル高に傾くことは予想できたので、109円台で4万通貨（4Lot）のロングポジションを保有しています（FOMCの前のタイミングなので、20日と21日に購入）。これだと現状で350pipsほどの含み益となっています。予定ではこのまま1ドル111円は突破していくという見通しなので、利益確定はしません。

しかし、恒大リスクでネガティブサプライズがいつ起きてもおかしくはない状態。そうなると一気に108円を割り込むところまで急落することも考えられます。ただ、1ドル110円45銭の売りをこなせば、さらにブレイクアウトが期待できるところです。

最悪でも利益が出るように逆指値を調整

こういうときに役立つのが「逆指値注文」。私はIFO注文（イフダンオーシー）なので、エントリーと同時に利益確定と損切りの売りの注文も入っています。この損切りが逆指値注文なのですが、これだけいじると、急落しても少しは利益を確保することが可能です。

チャート上では、1ドル110円近辺に逆指値の売り注文が入っていることがわかります。

これだと仮に急落しても2万円は稼げます。

もちろんこのまま111円までいけば6万円ほどの利益です。要するにトレンドが続いても、転換期を迎えても利益を出せるということです。ちなみにこれを書いている間に1ドル110.430まで上昇していますが、やはり110円45銭のレジスタンスラインをブレイクできないでいます。そうなると一時的にでも反発してくるでしょう。恒大のデフォルト問題いかんではここで押し目買いもありですね。逆にここで110円まで下落するようだと、恒大のデフォルト問題が深刻化して下落トレンドになる可能性があるので、ロングポジションは切り替えるべきです。

まとめ

ある程度の利幅を確保してから使う方法ではありますが、こういった状況では逆指値注文でカバーしておくことも、FXで勝つためには必要な技です。テクカル分析だけではなく、ファンダメンタルズ分析も両立していくことが、FX初心者にはおすすめになります。